ジブリパーク「もののけの里」造園の秘密｜手入れされていないようで手入れされた風景

イベント＆街系（pick up teaser）

2025.11.03

愛知県長久手市のジブリパークにある「もののけの里」では、映画『もののけ姫』の世界観を植物によって空間的に表現する造園が行われている。岐阜造園の吉田光弘氏が手がけるこのエリアは、「手入れされていないようで手入れされた」風景を意図的に構築しており、自然と人工の境界を思想的に揺さぶる設計となっている。

公式】また、会えたね ! ジブリパークの動画「『もののけ姫』の世界を植物で…」で解説されている通り、彼らが使用するのは日本古来の在来種のみ。斑入りの品種や外来種を一切排し、何百年も前の日本の自然を忠実に再現しているのです。この「もののけ姫の時代」という厳格なフィルターが、風景に圧倒的な説得力を与えています。

さらに現場をよく観察すると、岐阜県恵那市から運び込まれた美濃石が、昔川だったという設定のもと、見事な枯流を演出しているディテールも見逃せません。自然に見える石の配置にも「不規則に見えるような規則性」が存在し、プロの緻密な計算が息づいています。

「もののけの里」は単なるテーマパークではなく、ランドスケープデザインの観点から見ると、在来種と石組が織りなす「生きた里山の復元プロジェクト」と言えます。この美しい「緑」こそを主役に、ぜひこの奥深い空間を体験してみてください。