1億2000万人の仮想社会で被害を予測?最新シミュレーターDSG-SIMが変える自治体訓練の未来【動画あり】

「情報」をいかに制するかが、現代の防災における鍵を握っています。今回は、芝浦工業大学の市川学教授が開発した、災害訓練を劇的に進化させるシミュレーション技術「DSG-SIM」をご紹介します。

1億2000万人が生きるデジタル上の日本:
災害訓練において最大の課題は、リアリティのある「被害想定」をいかに作るかという点です。市川教授らが進める「DSG-SIM」は、コンピューターの中に日本の人口とほぼ同じ1億2000万人の仮想住民と建物、インフラ情報を再現した「デジタルツイン」を構築しています。

驚くべきは、その精緻さです。仮想世界では一人ひとりの住民が年齢、職業、家族構成を持ち、日々の生活を営んでいます。この仮想社会に地震や大雨のデータを投入することで、停電、断水、建物の倒壊、さらには土砂災害の発生までもが擬似的に作り出されるのです。

「通報」から「救助」までをシミュレート:
DSG-SIMの革新性は、単なる被害予測に留まりません。例えば土砂災害が発生した際、付近の仮想住民がそれを見つけ、119番通報を行い、それを受けた消防が動くという「人間や組織の動き」までもがシミュレーションされます。


第2部 災害訓練シナリオの生成技術「DSG-SIM」|芝浦工業大学 システム理工学部 環境システム学科 教授 市川 学(youtube/防災科学技術研究所 / NIED)

現場調査(Field Survey)の視点から:
私たちが行うフィールド調査においても、こうしたデジタル技術との連携は欠かせません。動画内では、生成AIを用いて被災地の画像を生成し、より臨場感のある訓練に活用する試みも紹介されています。

実際の災害時に情報システムをどう使いこなすか。平時の訓練からデジタル上の被災地を「体験」しておくことは、いざという時の対応力を飛躍的に高めます。すでに兵庫県の防災システム等でも活用されているこの技術は、全国の自治体での導入が可能となっており、次世代の防災インフラとして大きな期待が寄せられています。

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